タダシップの禁忌や飲み合わせ

タダシップの禁忌や飲み合わせ

重い心血管系の病気や肝障害のある人にタダシップは危険!死亡事故につながる可能性も

タダシップの主成分はタダラフィルです。代謝物は糞便及び尿から排泄されますが、その多くはメチルカテコール体及びカテコール体であり、タダラフィルは胆汁排泄されます。排出されれば成分効果は失われますが、タダラフィルには禁忌があり、服用できない人もいます。

性行為は軽度の運動、興奮、多呼吸、血管拡張を伴う行為なので、心臓に負担がかかります。100万分の3というかなり低い確率ではあるものの、性行為後は、心臓発作のリスクはが3倍に増えるという発表もあります。

そのため、不安定狭心症がある人や、性交中に狭心症を発現した等、心血管疾患のある患者さんには投与が禁止されています。また、重度の勃起不全患者においては心血管系障害のリスクが2.6倍になるというデータもあり、投与には注意が必要です。

そもそも勃起不全は心血管疾患の初期症状だともいわれています。陰茎動脈の太さは1mmから2mmと、動脈の中でも最も細いので、動脈硬化などの影響を一番に受けやすいのです。

見方を変えれば、勃起不全は生活習慣病を発見する手がかりになります。一方、それに気づかないままタダシップを服用すると思わぬ健康被害を被る恐れがあります。

高血圧や狭心症の薬を飲んでいる人はシアリスを使えない!血圧が下がりすぎて危険!

EDと心臓病には大きな関係がありますが、一口に心臓病といっても様々あり、中でも狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患に関連するとされています。

虚血性心疾患では、ニトログリセリンなどの硝酸剤が治療に使われますが、ED治療薬との相性が悪く、併用が禁止されています。ニトログリセリンは、ED治療薬と同じ血管拡張作用をもちます。

もともとED治療薬は、狭心症の薬として開発されていました。

ED治療薬とニトログリセリンを併用すると、血管が広がりすぎて、重い低血圧が起こる恐れがあるのです。血圧が下がりすぎると、命にもかかわるので、タダシップとニトログリセリンなどの硝酸剤は併用できません。

硝酸剤は飲み薬だけではなく、貼り薬、塗り薬、吸入薬、注射、スプレーとして使われます。いずれの形でも、タダシップとの併用はできません。

アンカロン錠やアミオダロン塩酸塩錠も併用禁止です。他にもsGC刺激剤も低血圧を引き起こすため、併用が禁止されています。

血管系疾患には狭心症以外にも、脳血管疾患である脳梗塞もあります。脳梗塞の患者も、タダシップを服用することで血圧に異常が出る恐れがあります。

一部の薬は併用に注意!高齢者や持病のある人は医師に相談

タダシップの併用禁忌薬は「硝酸剤及びNO供与剤」「sGC刺激剤」と多くはありませんが、併用注意薬がいくつか存在します。併用注意薬は、禁止ではないものの、注意して併用する必要がある薬のことです。

タダシップの併用注意薬は、CYP3A4阻害剤、HIVプロテアーゼ阻害剤、CYP3A4誘導剤、α遮断剤、降圧剤、カルペリチドです。

心血管系障害を有する患者、重度の肝機能障害患者、最近6か月以内に脳梗塞・脳出血の既往歴がある患者、最近3か月以内に心筋梗塞の既往歴がある患者は、タダシップを服用できません。

禁止はされていませんが、慎重投与が求められる患者もいます。陰茎の構造上欠陥(屈曲・陰茎の線維化・ペロニー病等)がある患者、高齢者(65歳以上)、他の勃起不全治療剤を投与中の患者が該当します。

ED治療薬を単独で服用する分には、用法用量を守っている以上、命や健康に危険はありません。しかし、高齢者や持病のある人が服用する場合にはリスクが伴います。

素人で判断できるものではないので、安全に効果的に服用していくためには医師に相談するのが重要です。